久しぶりのブログ更新になってしまいました。
毎日様々な区民相談に対応させていただいたり、次第に再開し始めたイベントに参加したり、地域を歩いてポスター掲示のお願いをさせていただいたり、議会中はもちろんですが閉会中も区役所で打ち合わせや要望書提出などを行っており、その都度SNSでの短い発信はしていたものの、ブログ記事を書く時間をなかなか取れずにおりました。
今年一年、区民の皆さまから多くのお声をいただき、皆さまと一緒に区政を少しずつアップデートすることができました。
大切な課題に気付かせてくださった皆さま、ご指導くださった皆様さま、活動を支えて下さった皆さまのおかげで今年一年を乗り切ることができました。心から感謝申し上げます。
2022年、皆さまと一緒に取り組んで実現できたことを振り返りたいと思います。
2019年に議席をいただいた当初から、障害のある子どもの放課後の居場所である放課後等デイサービスが足りない、拡充してくださいと、本会議、厚生委員会、子ども子育て調査特別委員会、予算審査特別委員会など、議会のたびに言い続け、2021年に初めて区独自の施設整備費補助が始まりました。
開始当時は重度の障害を持った子が通う施設に対象が絞られていましたが、それ以外にも、普通学級に通っているけど学習支援が必要な発達障害のある子など、たくさんの需要があることを訴え続け、2022年4月から、施設整備費補助の対象がそれらの施設にも適用されるようになりました。
とはいえ、子どもの数が増えて小学校の教室増築や育成室の増設は計画的に行っても、障害のある子は障害のある子で、教育委員会とは別の障害福祉課が単独でまったく別の計画として動いているのは未だに納得できていません。
等しく「児童の放課後の生活・居場所を保証する」という概念をもって、事業者任せではない区主導の迅速な整備を引き続き訴えていきます。
これまで、文京区の区立保育園および私立認可保育園に通う園児は、弟や妹が生まれた時に両親が同時に育児休業を取得すると、「おうちで保育できる」とみなされ、退園になってしまうというルールがありました。
近年、父親の育児休業取得を推進している一方で、このように取得を妨げ得る要因が同時に存在しているのは辻褄が合いません。
実際に私のもとへも、育児休業取得を希望するパパさんからのご相談がありました。
待機児童問題が叫ばれ始めた頃にやむなくできたルールですが、文京区の待機児童は2008年度の124人をピークに、その後増減を繰り返しながら減少し、2022年には1人となりました。
それに伴い、在園の条件の緩和も可能なはず、ぜひ早急に検討してほしいと、区と協議した後に6月議会の子ども・子育て調査特別委員会で訴えたところ、「入園の要件は、待機児童の状況やその都度見直すいわゆる固定的ではないものと考えている。全体の待機児童等の状況を見ながら検討を進めていく。」という答弁をいただき、10月の入園募集の際に、在園ルールが見直されました。
今後ますます多くのご夫婦が育児休業を同時に取得し、在園中の子はお友達とずっと一緒にいることができ、子育ての中で笑顔が増えることを祈っています。
文京区では2017年度から、地域で子育てを支援している団体等が地域子育て支援拠点を実施する際の、開設や運営に必要な経費の一部を助成しており、これまでに
・さきちゃんちpetit(小石川)
・こそだて応援まちぷら(本郷)
・こまぴよのおうち(本駒込)
の3か所が運営されていました。
親子で交流できたり、地域の子育て支援情報の提供、子育て相談もできる、親子で気軽に行ける場所として、地域の子育て世帯の皆さまに喜ばれていますが、文京区の西側にはまだ整備されていませんでした。
私が住む江戸川橋付近の子育て施設と言えば、
児童館…水道、小日向、大塚、目白台第1・第2
子育てひろば…水道、小日向
で、ファミリー向けのマンションが建ち並ぶ音羽・関口には児童館も子育てひろばもなく、近所の方からも「子どもの居場所がもっと近くにあればいいのに」というお声をお聞きしていました。
6月の子ども・子育て支援調査特別委員会で、第4の地域子育て支援拠点の整備について議題になった際、ぜひこの空白地域の音羽・関口に支援拠点をという要望をしていたところ、12月より、音羽通り沿いのビルに「おひさま0・1・2」という新たな施設が開設されることが決まりました。
地域に根差したNPOによる運営で、待望されていた地域への開設が叶ってよかったです。
現在はコロナ感染予防対策で予約制で運営しています。こちらから詳細をご覧いただけます。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭の皆さま、ぜひご利用してみて、ご感想など聞かせてください。
地域の皆さまに愛される施設になることを願っています。
家族との死別を経験した方に対するグリーフケアについて、行政手続きの煩雑さの観点から、昨年9月定例議会の本会議の代表質問で取り上げました。
精神的な苦しみだけではなく、日常生活の変化にとまどい身体的疲労を抱えている方に対して、その負担の軽減化に行政も貢献してくべきで、死別の際に遺族が役所で行わなければならない手続きをワンストップで行える窓口「おくやみコーナー」の設置を求めていました。
その後区と協議を重ね、予算審査や決算審査でも継続的に要望を続け、ついに2023年の重点施策に盛り込まれました。
開設はまだ先になりますが、少しでも遺族の方の心と身体の負担が軽減されることを願っています。
「文の京安心・防災メール」ではこれまで、区内の5か所に設置された雨量局と、4か所の水位局のうち、基準に達した雨量・水位に関して情報が発信されていました。
しかし、既存の雨量局は、神田川外水氾濫区域から見ると小日向台地の向こう側にしか設置されておらず、雨量情報が得にくい状態となっていました。
地元住民の方から不安のお声をいただき、昨年の9月定例議会で、台風や豪雨が発生した時の災害対策強化として、神田川外水氾濫区域内への雨量局の設置を求めていたところ、今年の春に、江戸川橋の文京総合福祉センターに新たな雨量局が設置されました。
引き続き、神田川周辺の方が安心・安全に暮らすことができるよう、災害対策の強化に向け活動してまいります。
公共建築の費用の1%をその建築に関連・付随するアートのために支出する「1% for ART」という運動が、欧米諸国では浸透しており、1% for ARTの資金は公共建物や公共空間を装飾するパブリックアートに割かれるのが一般的です。
日本でも今年6月、公園や病院等へのアート作品の普及を後押しし、地方自治体や企業に建設費等の1%を振り向けてもらうことを目指し、経済産業省が有識者会議を設置しました。
現在、区は41点のパブリックアートを所有しており、そのほとんどが彫刻作品です。
作品の管理はそれぞれの施設および所管課で行っていますが、今後、1% for ARTの考え方が区内にも浸透しアートを活かしたまちづくりが活性化していく前に、どのようなアートをどのようにまちづくりに活かしていくのか、区の方針が必要と、9月定例議会の本会議で訴えました。
パブリックアートはもともと、経済恐慌後の1930年代に、ニューディール政策として多くの失業したアーティストを雇い壁画や公共建築の彫刻を作らせる公共政策として始まりましたが、1980年代から、彫刻設置事業の問題点を解決するための変化も現れています。
区が把握しているパブリックアートは、20年前の調査によるリストしか存在しません。
そこで、区のパブリックアートの管理体制や在り方について今一度精査し、パブリックアートを文京区の付加価値向上のために活用する方向性を明らかにすることを求めたところ、「アカデミー推進協議会で活用方針を伺っていく」という答弁をもらうことができました。
0から1になったことはとても嬉しく思いますが、今後の推移を見守り、アートを活かしたよりよいまちづくりができるよう働きかけていきたいと思います。
文京区では、ボランティアの皆さまにご協力いただき、「飼い主のいない猫の去勢・不妊手術助成事業」でTNR(Trap飼い主のいない猫の捕獲、Neuter動物病院での避妊・去勢手術、Return元の場所に戻し地域で見守る)活動を行っています。
このボランティアの皆さまの活動のおかげで、文京区における飼い主のいない猫は、事業開始の2009年度に手術実施数が359匹だったのに対し、2020年度には101匹と、大幅に減少してきました。
しかし、活動を続けていただく過程では、事業の補助金の対象になるもの以外にも多くの実費がかかり、それらは会員さんが負担されています。
ボランティアさんのご協力なしには継続できない事業が、これからも新しい世代に継承されながら続いていくために、区に積極的な予算配分を要望し続けてきたところ、今年から、東京都の補助金を取得し補助対象が拡大しました。
しかし、それでもなお活用できる費目は限られており、ボランティアの方の持ち出しとなっている部分があります。
引き続き、より現実に即した仕組みにできるよう、また、東京都からの補助が終了した後の体制構築もできるよう動いてまいります。
TNR活動により里親譲渡会を開催したくても、動物の連れ込みが可能な会場を見つけることは簡単ではありません。
さらに、猫は動きが速いこともあり、屋内で開催できる会場が必要ですが、これまで、区がボランティアさんへお願いしている事業であるにもかかわらず、区は里親譲渡会開催のための会場を提供できないという、なんとも理解し難い冷たい対応がされていました。
動物愛護に関する予算をつけること以外にも、会場を見つけることにハードルがある里親譲渡会に、会場として区有施設を提供することで区がボランティアさんの活動を支えることができるという訴えを昨年から継続して行っていたところ、今年10月に、文京区民センターを会場とした里親譲渡会が初めて開催されました。
アレルギー対応など、きちんとして下さったこともあり、無事に開催でき、ほぼすべての猫ちゃんが新しい家族のもとへ行くことができたと聞いて、本当に嬉しかったです。
今後も開催を続けていけるよう、見守っていきたいと思います。
以上が、今年一年皆さまと一緒に取り組んで形になった主なものです。
一人では気付けなかったような課題に気付かせて下さり、皆さまのお知恵をお借りしながら区政を前に進めることができたことに、改めて感謝申し上げます。
しかし、まだまだ区政課題は山積しています。
この一年の活動を通じて課題と認識していることに関しては、以下の要望書に記し、先日、文京区長および教育長に提出してまいりました。
2023年も、皆さまのお声に耳を傾け、課題解決に向け励んでまいりたいと思います。
今年一年、本当にお世話になり、ありがとうございました。
皆さま、良い新年をお迎えください。